伝統と革新が融合する「玉兎」

宇治の守り神が導く月夜の茶

京都の伝統と現代のデザインが融合した「玉兎」は、単なる飲料ではなく、日本の美意識を形にしたアートピースです。そのシンプルな形状は、日本の「侘び寂び」の美学に触発されています。

デザイナー・笠井久道によって生み出されたこのボトルは、宇治の守り神を導いた伝説の兎からインスピレーションを得ています。夜空に浮かぶ月と薄雲をイメージさせるデザインは、日本茶「玉露」の栽培方法である遮光による育成を表現しています。宇治茶の長い歴史を思わせる伝統的な日本の模様が、雲のデザインに取り入れられています。

「玉兎」は、京都の伝統的な宇治茶製法で生産された「宇治玉露」を使用したボトル入りの日本茶です。京都をはじめ日本全国の多くのレストランで無料で提供されることが多い日本茶ですが、宇治茶の価値を高め、その生産を促進するために「玉兎」を開発しました。

京都のプレステージと独占的なラグジュアリーを感じさせるため、ボトルには特別な金のデザインが施されています。粗い質感と控えめな輝きを持つ金は、強い存在感を放ちます。茶の品質を保護するために、光を遮断する黒いボトルが使用されています。パッケージには円形の窓を追加し、ボトル上の兎のシンボルが見えるようにしました。玉露の栽培方法に触発されて、月夜に浮かぶ薄雲を描いています。

単にボトルを開けてグラスに注ぐだけで、最高品質の日本茶を楽しむことができます。兎のモチーフを持つボトルデザインは、テーブルにエレガントな雰囲気を加え、グラスに注がれた時には、その美しい鮮やかな金色が目を引きます。愛する人との特別な時間や、贈り物としても完璧なデザインです。

このブランドは、2020年9月に日本の京都で立ち上げられました。デザインには、これまで無料で提供されてきた日本茶自体の価値を高め、特別な機会に提供できる茶のブランドを創出するという意図が込められています。また、イベントでアルコールを飲めない人向けのノンアルコール飲料として、または歓迎ドリンクとして提供することを目的としています。

工場での充填中にボトルが倒れるリスクがあったため、ボトルの形状を微調整する必要がありました。機能性と芸術性のバランスを取ることが最も難しい課題でした。日本の美しさのシンプルさを表現するデザインでありながら、充填プロセスを妨げないようにすることです。さらに、あらゆる角度から美しいと感じられるように、ボトルの視覚的魅力を細心の注意を払ってデザインするのに多くの時間を費やしました。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Hisamichi Kasai
画像クレジット: Shunbin Co., Ltd.
プロジェクトチームのメンバー: Art Director: Hisamichi Kasai Designer: Hisamichi Kasai
Producer:Nobuyuki Muro Planner: Rina Yatsugaki Photographer: Yoshihiro Yamamoto
プロジェクト名: Tamausagi
プロジェクトのクライアント: Shunbin inc.


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